〝ほどこしではなく、平等の気づきとしての友愛のやさしさ〟はよいな…(読んでいる途中)
Notices by 桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp), page 3
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:11 JST 桜庭一樹 -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:11 JST 桜庭一樹 昨夜、足首のチョコレートを拭いてからこの本を読みました。勉強になったし、編者によるあとがきの、
「社会は弱い者に合わせて作るとよい」
というお話が心に響きました。
体育教師としてのご経験から、「登山遠足のときの班分けで大事なのは〝体力のない人を中心に隊列を組む〟こと。これ以外だと怪我やトラブルが増えるし、脱落者を出しながら早く登るより、みんなで頂上に着くほうが生徒の満足感も高かった」というお話。
すごく納得して、というのは、友人と出かけるときも、体力のないほうに合わせて休みながら歩くし、アレルギーのある人に合わせて食事を選ぶし、そのほうがみんな満足感が高いよなぁと思って。
あとがきにはさらに「立場の弱い人が強い人のケアをさせられる形になると、歪な支配関係になる」というお話もあり、ほんとにそうだなと。それにしても、個人と個人ではしていることが、どうして社会になると急にぜんぜんできなくなるのかと思い、自分のことも振り返りつつ読み終わりました。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:10 JST 桜庭一樹 先日、漫画家の一条ゆかりさんがお若いころ、バーで男性編集者に頭からお酒をかけられ、編集者側は「今日の獲物」の女だった的に武勇伝としてその話をしていた、というエピソードを読んでぐったりしたのを、思い出したりした。
また、氷室冴子さんのお母さんが知らないうちにテレビに出て「娘の縁談についての人生相談」をし、娘のペンネームも本名も開示された状態で放送され、占い師さんが、
「娘さんは35歳で才能の限界を悟って結婚を考えます。俳優の竹脇無我のような優しい男性がよい。自力では見つけられないから周りが段取りしてあげましょう」
と占うのが流れた…
というエピソードは、ただ読んでいるだけでライフがゼロに…。
氷室さんは、どれだけ仕事を頑張っても自分の選んだ道を進んでも、結婚をしなければ(家父長制に従わなければ)無価値だと思われていると、大変ショックを受けた、とある。『文藝」夏号の「松浦理英子が語るミソジニーと苦難の時代」のことも思い出した。
また、倉橋由美子さんが男性の批評家から壮絶に批判され、由美ちゃん呼ばわり(キモい…)されていたことなどをさいきんこの2冊で読んだのも思い出した。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:10 JST 桜庭一樹 氷室冴子さんのコバルト文庫の作品をわたしは中学生のころ夢中で読んでたのですが、この本を読むと、当時の苦労として、
「男性のインタビュアーからやたら年収を聞かれ、『ああいう小説は処女じゃなきゃ書けないんでしょ』と好意的ニュアンスで言われる」「笑顔で耐えて、帰宅後、家中のワインの瓶ぶち割って一晩中泣いた」
とか、
「のちにセクシャルハラスメントという外来語を知り、自分が怒りっぽい変な人なのではなく同じように傷つけられている仲間がいたことに気づく」
とか、
「四十代後半の男性と仕事上の意見が異なったので、話し合いをしようとしたら、向こうは気の強い女の子が我を張って甘えてきてて困っちゃうナという様子で、対等な仕事相手とは思っていないのがわかった」「試しに『別の男性も同じ意見でして』と言ってみたら、相手がギョッとして急に話を聞き始めた」
などから、
「相手に『女というバイアス』が作る不可侵領域がある。これらの経験に近い理論はフェミニズムだと気づいて支持するようになった」
とあった。時代は違うけれど、自分のいた2000年代のライトノベル界(作家も編集者も男性が多い)も思い出され、なかなか辛い。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:10 JST 桜庭一樹 自分は「キメラ」に、
〝他者のことはわかりえないのだし、わからないものはわからないままおいておき、その事実にじっと耐えなければいけない〟
と書いたのだけれど、これは〝ネガティブ・ケイパビリティ〟というらしい。名称があったのか…。
もとは詩人キーツの言葉で、〝不確かさの中で事態や状況を持ち堪え、不思議さや疑いの中にいる能力〟
〝謎を謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんのどうしようもない状態を耐え抜く力〟のことだと、この本で説明されている。
著者は精神科医として、カウンセリングや終末医療にこの力がどう必要かという話や、小説家として、シェイクスピアや紫式部を例にとって物語を作るときにどう作用するかの分析をしていた。 -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Sunday, 30-Jul-2023 20:12:10 JST 桜庭一樹 読み始めたんだけど、まだ19ページめで、書き手の方が親戚のおばさんたちから「ありがたいと思いなさい。毎日毎日、夫に『ありがとうございます』って言って暮らしてもいいくらいだわ」と責め立てられるシーンが悲しすぎで一回休んだ。一回休んで犬の歯を磨きに行った…。
自分が「女が賢すぎるのも考えもんだな」と親戚のおじいさんに言われたときのことを思い出したりもした(『少女を埋める』)。一見状況はちがうようで、要は「分をわきまえろ」ということだから同じだろうなと思う。
「分をわきまえるなら存在を許してやる」が世の中にあまりに多い。あなたが許しても許さなくても存在しているのに。 -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 05-Jul-2023 18:52:47 JST 桜庭一樹 トークの中で、女子トイレの話題について、「女装したおじさん」をモンスターのように規定した上で「そんな人が入ってくるんですよ!」と怖がらせようとする文脈の問題点も指摘されていました。
わたしもまた、トランス差別に反対しながら女装する男性のことを差別していたのでは、と気づきました。
女装する男性たちもその文脈の中で傷ついていて(沈黙して)、自分はそこにまったく気づかない人で、と想像し、帰りの電車でそのことをずっと考えました。人は自分の加害には気づかないのだな。お互い。対話する人どうしが他者で、聞くわたしも他者だからこそ見えたことが多かったです。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 05-Jul-2023 18:52:43 JST 桜庭一樹 課題図書『埋没した世界』でも『トランス男性によるトランスジェンダー男性学』でも、シスジェンダーの男性のみの男性学が批判されていたところがあるのですが、それを受けて杉田さんがこうして登壇されて対話されたことも意義深く感じました。
高井さんの分析にあった「著者二人は性別移行によって一度生まれ直していて、命そのものに冷めている、生きている人間が喋っているがとてつもなく冷めた目で社会を見ている」(私の記憶による不正確なメモですが)を聞いて、この本に漂っている何か、進むほど強まる、時間旅行者の孤独のような何かに対して自分がひっそり感じた親和性、落ち着く気持ちの理由がここにあったかと思ったりもしました。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 05-Jul-2023 18:52:40 JST 桜庭一樹 昨夜のこちらのイベント、とてもよかったです。一人で考えていると、自分の属性の視点からしか何事も考えられなくなってしまうところ、頭がシャッフルされて、たくさんの異なる視点を持ち寄って知恵を出し合っていく必要性を改めて感じました。(アーカイブ視聴できます)
https://unite-books.shop/items/647d63f5294039003795962c -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 17-Apr-2023 10:34:17 JST 桜庭一樹 候補者がおじさんで、選挙カーからおじさんの名前を連呼するのは若い女性らしき声って変だよなと昨日気づいて、ずっと気になる(東京区議会選挙)
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 20-Feb-2023 17:11:18 JST 桜庭一樹 アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も、氷河期世代のアニメの作家さんが贖罪の思いから編んだ物語ではないかと想像したりしている。
戦場にいた帰還兵が、戦争の終わった世界で、誰かの思いを代筆する手紙屋の仕事につくお話。以下引用。
ーー君は自分がしてきたことで、どんどん体に火がついて、燃えあがっていることをまだ知らない。
ーーいいのですか。武器として人を殺めてきた私が、それでいいのですか。私は誰かの「いつかきっと」を奪ったのではないですか。そしてその人たちにも愛する相手がいたのではないですか。
燃えていません。
燃えています。
燃えていません!
燃えています! 自分がしてきたことでどんどん体に火がついて、燃えあがっています!In conversation from mstdn.jp permalink -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 20-Feb-2023 17:11:15 JST 桜庭一樹 自分がされて嫌だったことを、人に強いてはいけないし、努力は共存していくためにすべきことだと、常に言い聞かせていないと、怪物になりそうだ。
そう考えるうち、アニメ『水星の魔女』シーズン1のラストは(ここからネタバレです)、血まみれの殺戮の少女がロスジェネ世代の象徴、それを批判する少女が下のX世代の象徴のように思えてきた。上には闘うことを求めた親世代(団塊の世代)もいて。
深読みかもしれないな…
シーズン2を観ながらまた考えたい。In conversation from mstdn.jp permalink -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 20-Feb-2023 17:10:46 JST 桜庭一樹 少し前にTwitterで、とあるロスジェネ世代の方が「我々の世代で、この社会で生き残ってある程度成功した人間がもっとも冷酷だ。自分もそうなのだ」という趣旨の発言をされていた。
わたしも身に覚えがあると思って、かなりドキッとした。ベビーブームの大人数とバブル崩壊の余波で、振り返ると、悲惨な時代だったと思う。
子供のとき「人を蹴落としてでも弱肉強食の世の中で這いあがれ」「隣の席の子は友達じゃない、ライバルだ」「ライバルが風邪で試験を休んだらラッキーと思え」と教育(矯正)されたことを、ザラッとした違和感とともに思いだす。生きることが椅子取りゲームみたいになっていたなぁと。
でも、隣の席の子は友達だ。
殺伐とした謎のルールの世界に放りこまれるデスゲーム系の物語を観たり読んだりすると、まるであのころの現実のようだと思う。同時に、あのころ自分が冷酷に見捨てたかもしれない友達のことを考えたり、下の世代の方から、身についた自己責任論を批判されて醜さを自覚したりするたび、とても恐くなる。
(続)In conversation from mstdn.jp permalink -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Saturday, 18-Feb-2023 22:24:20 JST 桜庭一樹 帰ってきてからも考えていたけれど、やはり今日見た映画はよくなかった。
展開の都合で不幸にさせられる人たちの運命の唐突さ、キャラクターがあまりに類型的すぎる(職業や立場の表向きイメージのままの人たち、あまりに昭和の親父、お袋キャラの父親や母親)こと…。〝物語のために不幸を強いることの加害性〟については、わたしも「文藝」で連載していた小説『波間のふたり』で書いていて、とても気になる。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Saturday, 18-Feb-2023 19:55:08 JST 桜庭一樹 映画館へ。
体調があまりよくなく、途中でやっぱり無理だったかもと思いつつ、なんとか最後まで観た。主人公に人生における大切な何かを教えるために、病気にさせられたり、命を落とさせられたりする運命を強いられてしまった人々の役割について、最近よく考える。
自分だったら物語に反抗して外に逃げるだろうな。
でも、自分も、物語を作る側の人間なんだと思う。〝物語ることで架空の人物に不幸を強いることの加害性〟について、『源氏物語』の作者の紫式部を使って描いたのが、刀ステの新作『禺伝 矛盾源氏物語』なんだよな…
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Saturday, 11-Feb-2023 21:10:13 JST 桜庭一樹 漫画『今夜すきやきだよ』(谷口菜津子)は30代初めの女性2人が同居するストーリー。結婚、家族、家事などの問題で悩みながら周囲と共存していく。
あとがきに、自分が『少女を埋める』を書いたときに思ったのとまったく同じことが書いてあった。
そういう時代なのか。
テレ東のドラマも観てみようかなと思った。
https://www.shinchosha.co.jp/book/772422/
https://www.tv-tokyo.co.jp/konyasukiyakidayo/In conversation from mstdn.jp permalink Attachments
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Friday, 10-Feb-2023 19:24:10 JST 桜庭一樹 新連載の作業を毎日…
K島氏と薙刀F嬢にお世話になりますIn conversation from mstdn.jp permalink Attachments
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 08-Feb-2023 16:58:37 JST 桜庭一樹 「舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語」面白かった! 生きよう。
一緒に観にいった小食の友人も帰りにコメダのシロノワールを完食した。
千秋楽のライビューも観るぞ。In conversation from mstdn.jp permalink -
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 06-Feb-2023 22:15:35 JST 桜庭一樹 国立劇場は10月で閉鎖され、建て替えられ、2029年に再オープンするらしい。通い慣れた劇場なので寂しい。今年はさよなら公演もあるので通いたいなー。
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 06-Feb-2023 21:49:49 JST 桜庭一樹 義太夫さんが、
「人形遣いと解釈が合ってない時はあります。滔々と歌いあげているのに客席がドッカンドッカン受けていて、変だなと思ってチラッと見たら、人形が面白い仕草で味噌汁を飲んでいた」
というようなことを(わたしの記憶で書いているので不正確ですが)確か仰っていた。
やっぱりそうなんだなぁと思った。
声と動きに現れる心が、完全に一致はしてないような気がすることがなくもないのだけれど、それがよくないわけではなく、複数の解釈の揺らぎの中に自分もいられるというか。まぁ、素人の感想ですが…。
初日は合っていないが、千秋楽に向けて互いに影響しあっていくということもあるのかな? そんなことも機会があれば聞いてみたい。In conversation from mstdn.jp permalink