自分は「キメラ」に、
〝他者のことはわかりえないのだし、わからないものはわからないままおいておき、その事実にじっと耐えなければいけない〟
と書いたのだけれど、これは〝ネガティブ・ケイパビリティ〟というらしい。名称があったのか…。
もとは詩人キーツの言葉で、
〝不確かさの中で事態や状況を持ち堪え、不思議さや疑いの中にいる能力〟
〝謎を謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんのどうしようもない状態を耐え抜く力〟
のことだと、この本で説明されている。
著者は精神科医として、カウンセリングや終末医療にこの力がどう必要かという話や、小説家として、シェイクスピアや紫式部を例にとって物語を作るときにどう作用するかの分析をしていた。