課題図書『埋没した世界』でも『トランス男性によるトランスジェンダー男性学』でも、シスジェンダーの男性のみの男性学が批判されていたところがあるのですが、それを受けて杉田さんがこうして登壇されて対話されたことも意義深く感じました。
高井さんの分析にあった「著者二人は性別移行によって一度生まれ直していて、命そのものに冷めている、生きている人間が喋っているがとてつもなく冷めた目で社会を見ている」(私の記憶による不正確なメモですが)を聞いて、この本に漂っている何か、進むほど強まる、時間旅行者の孤独のような何かに対して自分がひっそり感じた親和性、落ち着く気持ちの理由がここにあったかと思ったりもしました。