「ルールは守れ」でいいのか?(版元ドットコム・版元日誌)
https://www.hanmoto.com/nisshi1153
過度な著作権の保護の弊害についての話。著作権継承者の意思によって、復刊ができなくなってしまった事例がかなり赤裸々に紹介されている。こういう事例は他にも色々ありそう。
「ルールは守れ」でいいのか?(版元ドットコム・版元日誌)
https://www.hanmoto.com/nisshi1153
過度な著作権の保護の弊害についての話。著作権継承者の意思によって、復刊ができなくなってしまった事例がかなり赤裸々に紹介されている。こういう事例は他にも色々ありそう。
なお、別の箇所では、日本では、「ポスト・コロニアリズム」や「カルチュラル・スタディーズ」の多元性礼賛が、「日本にも固有の価値がある」から「日本がやはり一番だ」にずれていってしまう(グローバル・ヒストリーも同様の構造でねじれていく)ことが指摘されていたりもする。
木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』(講談社選書メチエ) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000387591 では、大学の歴史授業が「グローバル・ヒストリー」一色になる一方で、「ポスト・コロニアリズム」や「カルチュラル・スタディーズ」が十分に定着せずに不発に終わったことについて、次のように書かれている。
「「ポスト・コロニアリズム」分析や「カルチュラル・スタディーズ」は日本の帝国主義的近代を鋭く批判しうる。しかし「グローバル・ヒストリー」の西欧中心主義批判は転じて反西欧の闘争を鼓吹するというより非西欧たるをそのまま全て肯定してくれる。「お前は挫折したけれども、どうせあのブドウは酸っぱい、今のままでお前はいいんだよ」と言ってくれるのである。」
世界史研究者の皆さんは猛反発されるかもしれないけれど、日本社会における知見の定着、という観点から見れば、こういった側面があることは否定しがたいようにも思う。
『大阪社会労働運動史』第10巻刊行記念会(エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館))
https://l-library.hatenablog.com/entry/2024/06/09/142656
『大阪社会労働運動史』のシリーズが7月10日発行の第10巻をもって完結とのこと。記念イベントあり。第10巻は20世紀末から2020年までが対象だそう。
第9巻までの目次は次のページにあり。
大阪社会労働運動史(公益財団法人 大阪社会運動協会)
https://shaunkyo.jp/shaunkyo/undoushi.html
東日本大震災の時、復旧作業がある程度進んだ時に、大きな余震があって、それまでの作業がまたやり直しになった、その精神的ダメージが大きかった、という話を聞いたことがある。能登半島で、復旧に関わっている皆さんへの影響が心配。
ありえない日付が… ハンセン病患者の記録にねつ造の可能性 | NHK | WEB特集 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014447601000.html
自身の死後、解剖を承諾する書類についての検証。自殺の7日前の日付があった事例をきっかけに調査したところ、死亡当日や死後の日付のケースも多数。
医学の進歩のためには仕方なかった、という意見も出てくるが、医師が組織的に法をかいくぐっていた、ということの重さを考えたい。
ついでに、法律時報2024年5月号の波多江論文で、法の支配報告書(Rule of Law Report)における「法の支配」について、2020年法の支配報告書からの引用がされていて、「法の支配」の説明としてとても分かりやすかったので紹介しておく。
「法の支配の下では、あらゆる公権力の行為は,いかなる場合であっても、法によって定められた制約の枠内にあり、民主主義と基本的人権の価値を遵守し、独立かつ公平な裁判所による統制に服する」(p.34)
さらに、これを受けて、「法の支配」を構成する原理として、同報告書では「透明で、説明可能で、民主的で、多元的な立法手続を伴う合法性、法的確実性、行政権の恣意的行為の禁止、独立かつ公平な裁判所による実効的な司法的保護および基本的人権の尊重を含む実効的な司法審査、権力の分立、法の前の平等」(同)が、挙げられていることを、波多江氏は紹介している。
EU域内でどれだけこの理想が実現しているのか、という議論はあるかもだけど、「法の支配」という言葉を使う時には、頭に置いておきたい。
法律時報2024年5月号「特集 情報空間の秩序構想」 https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/1.html が面白そうなので、入手してちょっと眺めている。
国家に匹敵、あるいは超越する権力主体として、デジタルプラットフォーム企業が現れた現状を踏まえて、デジタル空間における立憲主義の実装を目指すデジタル立憲主義が一つの軸になっている感じ。
いくつか、法律時報2024年5月号「特集 情報空間の秩序構想」の収録論文を拾い読みしてみたところ。
デジタル立憲主義の議論は重要だと思いつつ、デジタルプラットフォーム企業に比して、国家の方が市民による統制の仕組みがある分ましなので、国家によるデジタルプラットフォーム規制を支持する、的な話が展開されているのは、ちょっとナイーブな印象もあり(多分、分かりやすくするためにあえて書いている側面もありそうだけど)。
プラットフォーム企業から国家は独立しているわけではなくて、企業はロビーイングや各種政策検討のための会議を通じて国家の側に働きかける主体でもあり、また、ソーシャルメディアおける世論が国家の政策に影響を与える状況下でプラットフォームにおける言論を一定程度左右できることの意味というところについて、もう一突っ込み欲しい気もした。
法律時報2024年5月号で今のところ、特に印象的なのは、波多江悟史「EUにおけるメディアの自由と多元性——「欧州メディア自由法」を中心として」(p.33-38)。3月に成立した、欧州メディア自由法(European Media Freedom Act)について、成立前の案を元に紹介したもの。
ハンガリーにおけるメディア統制が背景にあるとのことで、関連して、EUにおける「法の支配報告書(Rule of Law Report)」による、メディアの多様性に関するモニタリングや、欧州民主主義行動計画(European democracy action plan)におけるメディアの自由と多元性の強化に関する取組みが取上げられている。
メディア自由法では、国家と大規模プラットフォーム企業の両者からの介入に対して、特に報道メディアの独立性と多様性を維持することを目指しつつ、各国が独立したメディア規制機関を置くことも定めていて、一定の介入可能性も確保することで、「民主主義と基本的人権の価値」を守ることも意図している様子で、このバランスの取り方は参考になりそう。
定番ですが、概説だけでもこの機会にぜひ。いかにややこしい状況と経緯で現在の日本国憲法が成立したのかがコンパクトにまとめられているので。
電子展示会「日本国憲法の誕生」
https://www.ndl.go.jp/constitution/index.html
時間がある方は、帝国議会会議録の衆議院,貴族院の帝国憲法改正委員会の議事録も眺めてみると、(占領下という特殊な状況であったとしても)日本国憲法制定時の議論の熱さ、みたいなものも感じられるかと。
(例)
第90回帝国議会 衆議院 帝国憲法改正案委員会 第2号 昭和21年7月1日
https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=009012529X00219460701
要利用者登録。
斜め読みしただけだけど、「憲法をまもる」ことの意味を独仏の事例を参考に検討した第2章とか、日本における司法の独立性について、戦後の最高裁の動向を中心に検討を加える第4章とか、今読んでも十二分に面白いと思う。
樋口陽一 著『比較のなかの日本国憲法』,岩波書店,1979.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11932990
受刑者にとっての「読書」とは? 本の差し入れ数大幅制限に違法判断(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS4R3DVYS4RUTIL00NM.html?ptoken=01HWHENYVJT5X797F2TT2S6BNA
割と重要な判例になりそう。
次の論文と併せて読みたいところ。
桑山亜也「矯正施設における読書支援拡充と環境整備に向けて(<特集>図書館にできること:周辺との連携を中心に)」情報の科学と技術. 61 巻 (2011) 6 号
https://doi.org/10.18919/jkg.61.6_228
国際的な動向については、こちも。
受刑者への図書館サービスに関するガイドライン(第4版). カレントアウェアネス-E. No.459 2023.06.29
https://current.ndl.go.jp/e2607
闇に消えゆく佐渡金山の朝鮮人名簿 空白の6日間と41年前の目撃者(朝日新聞)
ptoken//digital.asahi.com/articles/ASS4T33L5S4TUPQJ008M.html?ptoken=01HWH7GEBM7S9RX96KSM7P5CXG
同じ記者からの初報では県立図書館を巻き添えにしてたけど、今回は正しく、新潟県立文書館の話にしぼって展開。
資料収集時に企業側どういう条件を提示したのか、ということにもよるので、そのあたり、もう一突っ込みを期待したいところ。
現在、佐渡金山を管理している企業、ゴールデン佐渡と、三菱マテリアルとの関係も説明がほしい感じ(連結子会社の模様)。
(参考:初報記事 2023年12月2日)
「あるかないか言えない」 世界遺産めざす佐渡金山でお蔵入りの名簿(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASRD16W0GRD1USPT00K.html
それにしても、関連の立法がない状況において、憲法に基づく判断を、司法は独自に行うことができない、という前例が、この先、どういう影響を与えることになるのかが気になる。米国の憲法関連判例は、比較法学・憲法学を通じて、日本の憲法解釈にも影響を与えることもあるし。
The Supreme Court’s “Unanimous” Trump Ballot Ruling Is Actually a 5–4 Disaster (SLATE)
https://slate.com/news-and-politics/2024/03/supreme-court-trump-colorado-ballot-disaster.html
州に大統領候補者の資格の有無を決定する権限はない、という点で、全員一致の判決だった、というとこだけ報道で知って、まあ、最高裁としてはそうなるかな、とは思っていたけど(州が大統領選の帰趨を決められることになってしまうから)、それを判断できる(ための法を制定できる)権限を持つのは議会だけだ、という判断まで含まれていたというのは知らなかったので、驚いた。その点については、保守派とリベラル派で意見が割れたとのこと。
記事にあるとおりなら、この件については、議会で立法がなされるまでは、司法が憲法の規定に基づいて判断することはできない(そして立法の見込みはない)ことになるので、反乱に加担した人物が公職につくことを禁じた、米国憲法修正第14条第3項は、事実上、効力を失ったという話になりそう。米国各地の同様の訴訟にも多大な影響があるかと。
認知症のある方100人以上にインタビューをして気づいたこと。認知症未来共創ハブ代表・堀田聰子さん(こここ)
https://co-coco.jp/series/nursing/satokohotta/
これは良い仕事かと。「食事の準備の場面で、「麻婆豆腐をつくろうと思っていたらハンバーグができた」ときに「なんだかんだ料理ができているから結果オーライ」ととらえるAさん」の話など、救われる。
NHKスペシャル「続・“冤(えん)罪”の深層〜警視庁公安部・深まる闇〜」 https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/N51JZ9R3RJ/ 見てる。大川原化工機冤罪事件に関するドキュメンタリーの続編。
たまたま続けて読んだ。どちらも加害構造から目を逸らすという、共通する問題があるような。
「新聞の影響力は地に落ちた」ジャニーズ、松本人志問題…新聞が社会を揺るがすスクープを出せない根本原因(PRESIDENT Online)
https://president.jp/articles/-/78412
「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪) (TOKYO ART BEAT)
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/daiyoshiwara2024-insight-202402
UNRWAに関する国連側のリリース。
UNRWA to investigate allegations ‘several’ staffers played role in 7 October attacks
26 January 2024
https://news.un.org/en/story/2024/01/1145942
UN chief urges countries to reverse UNRWA funding suspension
28 January 2024
https://news.un.org/en/story/2024/01/1145987
Statement by the Secretary-General - on UNRWA
28 January 2024
https://www.un.org/sg/en/content/sg/statement/2024-01-28/statement-the-secretary-general-unrwa
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