日本初のゲイ雑誌「ADONIS」の32冊分の目次の内容が公開されています。以下、アクセス方法です。
(1) 次のサイトにアクセスする https://library.brown.edu
(2) 検索ボックスに「HQ76.2.J3 A36」をコピペし、右側のSearchをクリック
(3) 各号の書誌情報のContents欄に目次の記載有
日本初のゲイ雑誌「ADONIS」の32冊分の目次の内容が公開されています。以下、アクセス方法です。
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最近入手した薔薇族に掲載されたらしい挿し絵の画稿を見てると昔の日本のゲイ雑誌は大変な労力をかけて作られていたことがよく分かります。これらは貴重なゲイの遺産。いつか美術館か図書館に寄贈することができる日まで可能な限り劣化しないように保存するつもりです。
ゲイ雑誌「アドニス」(1952-1962) の初代編集長だった上月龍之介についての情報があまり見つからなかったのだけど、アルベルト・モル (Albert Moll) の著書「同性愛 (原題: Die Conträre Sexualempfindung)」(1957) の訳者、上月駿哉と同一人物ではないかと思う。以下、その理由。
(1) アドニス13号に上月龍之介は「アルバート・モルの同性愛研究」というエッセイを寄稿している。
(2) 訳書のあとがきに「最後に、本書を訳すにあたって、種々貴重な助言をいただいた大場正史。... また終始訳者を援助して下さった田中純夫氏に感謝の意を表したい。」とある。大場正史はアドニスに「R・F・バートン 男色考」というタイトルの訳文を寄稿しており、田中純夫 (= 田中貞夫) はアドニスの二代目編集長だった。
本の奥付にある上月駿哉の略歴は以下の通り。
「1934年、姫路に生まれる。第六高等学校より、大阪帝国大学工学部中退。第一出版を経て現在、飜訳に従事。」
ゲイ雑誌「アドニス」の創刊を助けた性風俗雑誌「人間探究」を収集しているのですが、今までに入手した21冊分の写真を撮ってみたらなかなか素敵なのでシェアします?
最近入手した「人間探求」第28号 (1952年8月15日発行)。1952年9月に日本初の会員制ゲイ雑誌「アドニス」を創刊するアドニス会の会員募集の広告が掲載されています。
ちなみに、この「人間探求」第28号に寄稿している岩倉具栄、比企雄三、伏見冲敬は、アドニス創刊号にも寄稿しており、同誌はアドニスの誕生に重要な役割を果たしたと思われる。
大阪梅田、新御堂筋と都島通の交差点。ファミリーマートがあるビルに、かつて、東梅田ローズというゲイ専門映画館がありました。写真は2018年1月15日撮影。
最近の収穫。1962年発行の性風俗雑誌「風俗奇譚」。この年と翌年、翌々年の号の表紙絵はトム•オブ•フィンランドなどホモエロティックなものが多い。1962年にアドニスが廃刊になったことが関係しているのだろうか。
私がゲイ関係の文献の収集をやめられない理由の一つは、過去に彼のような強いゲイがいたことを発見できるから、そして、そういう人たちをいなかったことにさせたくないからなんだなと思う。東郷さんは私の助けなどは必要ないでしょうけどね。
参考まで、データを貼っておきます。
昨日ツイートしたアドニス会の会員紹介総覧から得られたデータ (会員の居住県、年齢、結婚歴など) を表にまとめてみた。その結果、分かったことは以下の通り。
1. 居住県で最も多いのは東京 (41人)で、それに続くのが大阪 (11人)、京都 (9人)。(詳細は添付画像を参照)
2.年齢の分布は以下の通り。
20代 49人 (32%)
30代 68人 (44%)
40代 32人 (21%)
50代 5人 (3%)
合計 154人 (100%)
3.結婚歴は以下の通り。
独身 85人 (55%)
既婚 60人 (39%)
無回答 9人 ( 6%)
予想していたよりも独身者が多かったが、それでも4割近くの会員が既婚だったことから、ゲイにとって生きづらい時代だったことがよく分かる。
ゲイ雑誌アドニスを発行していたアドニス会の会員紹介総覧。会員番号1から425までのうちの154人分がリストされている。これは全会員の6割程度とあるので、1960年の時点で会員が250~260人程いたということになる。
リストの中で最年少だった人が当時20歳だったとすると、その人は今82歳。154人のうち何人がまだ生きているのだろう。カミングアウトしやすい社会であったら、当時のことなどについて証言を希望する人がいたかもしれないのに。カミングアウトできない社会は存在がなかったことにされる社会でもある。
また、ECHOの他にこのお知らせも添付されていた。会誌の発行所が移転したという内容で、その住所 (東京都千代田区代官町二番地 ギリシャ研究会内) が記されている。どこだろうかとググってみたら、皇居のすぐ隣の北の丸公園があるエリアだったようだ。
ゲイ雑誌「アドニス」14号 (1954年3月発行) の付録、ECHO。初代編集長だった上月龍之介が健康上の理由からその任を退き、田中純夫 (田中貞夫) が新編集長になったことが書かれている。ウィキにもそのことは書かれているが、参考資料が記載されていないので、ここに提示しておく。
また、雑誌「同好」が何号まで発行されたのかは分かっていないが、79・80合併号 (1966) の存在が確認されているらしく、1960年代後半にタイトルは「清心」に変わったようです。お知らせに書かれているように、清心は20号まで発行されたようです。
ついでに、私が書いた「同好」に関するウィキのエントリーも紹介しておきます。(まだ誰もアップデートしてない。)
そして、14年が経ち、「風俗奇譚」1973年6月号にこんなお知らせを出している。会員募集の広告なのに「よわい六十歳を過ぎて、つまらぬ、礼儀もわきまえないエゴのかたまりのような人間に接していくことはもうこりごりです。」と気になる内容でもあるが、住所、電話番号を堂々と公開しているのが凄い。
やはり何か起こったのだろうか、翌月の「風俗奇譚」1973年7月号に同好趣味の会解散のお知らせが。どんな事情があったのか分からないが、「左記の所でお好焼屋を開店いたしました。旧知のかたに、そして御用のかたは遠慮なくお越しください。」とあり、清々しさを感じるのは、彼の人柄なのでしょう。
また、「会員の一部の人より会誌にもつと露骨な記事をそして露出した写真を掲載するようにとの希望がありますが、... 会の将来の健全なる発展の基礎を弱めることになりますから当分この程度で編集しますからご了承下さい。」と、クソ真面目な物言いだが、「現在の会誌は警察の希望で一部宛渡しており、当局も又本会の趣旨を理解してあたたかい目で凡て協力してくれておりますから他のいかがわしい会のように突然手入れ等の心配はありませんからご心配なく。」と、警察と交渉できるほどのやり手でもあったので説得力がある。
#日本のゲイの歴史 の中で私が今最も関心がある人物は毛利晴一さん。彼は1959年に大阪で同好趣味の会というゲイ男性のグループを発足し、1960年に「同好」 (1~3号では「同性」) というゲイ雑誌を創刊した。同雑誌15号巻末にある「事務局より」を読むと、大変魅力的な人だったことがよく分かる。
まず、「年中無休ですからどしどしお越し下さい。」と、とても面倒見の良い人だった様。
1960年末に発行されたこの15号の裏表紙には「会員番号882」とあり、これは少なくとも882人の会員がいたということで、発足後一年の間にこれほどの人数が集まったとは凄いとしか言いようがない。
1957年発行のゲイ雑誌「Man」10号に編集長がこんなことを書いている。
「精神的には不死身の積りでいた私も、昨年後半の経済的苦境には散々痛めつけられてしまった。... 簡単に記すと、すべては出版界の不況のなせるわざで、仕事をしても酬いられない - 金が入って来ないという状態だったのである。」
「Man」は多分「Adonis」の次に古い会員制ゲイ雑誌で、この時点で会員が577人もいた。需要があった。なのに、なぜそれまで編集長が一人でこんなに苦労していたのか不思議でならない。日本のゲイは極端にケチなの?(笑)もしタイムマシンがあったらこの雑誌のお手伝いに行きたい。
#日本のゲイの歴史
90年代に元BFと集めたゲイ関係の資料を眺めていたらこれを発見。Asian Wind という東京で発行されていた英語のニュースレター。この号は6ページのみだけど、当時これを手にしたLGの在日外国人(特にアジア人)はほっとしたのだろうな。これも #日本のゲイの歴史 の一部です。
また、Adonis 創刊号に寄稿した5人のうち次の3人はウィキのエントリーが既にあり、各分野で名の知れた人たちです。
岩倉具栄 (英文学者、政治家)
伏見冲敬 (書家、中国文学者)
高橋鉄 (性風俗研究家)
原比露志と比企雄三については不明な点が多く、今後の研究が期待されます。
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