あの事件──やまたみが兄にオナニーを見られてから1週間が経った。あれから全く口を聞いていない……訳ではないが、少しぎくしゃくした感じで過ごしていた。
「お兄ちゃん、おはよう…………」
「あぁ……やまたみか、おはよう」
2人はリビングに向かい朝食を食べた。しかし、会話はない。そして食べ終わると彼は先に家を出た。
「………… 兄最近のこの事避けてない…?やまたみも素っ気ないし……何かあったの??」
「な、何もないよ……」
2人の様子を不審に思った母は彼女に尋ねるも彼女は何もないと嘘をつくしかなかった。そりゃあオナニー見られましたとか言える訳が無い。
やがて彼女も朝食を食べ終え学校へ行こうとしたが、そこで彼女は玄関に何かが落ちている事に気付いた。
Conversation
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ちやりん (chiyarin@mstdn.jp)'s status on Saturday, 12-Nov-2022 06:33:25 JST ちやりん -
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ちやりん (chiyarin@mstdn.jp)'s status on Saturday, 12-Nov-2022 06:34:26 JST ちやりん @chiyarin
「何だこれ......」
やまたみは手に取って見る。それは兄と女のツーショット写真だった。この女はおそらく兄の彼女と思 われよう............。彼女の眼から徐々に光が失われていき、表情も憎悪に満ちたものとなっていく............。
「あら、やまたみまだそこいたの」
「い、今行くよ、いってきます!!」
とりあえず今は学校に行かなければならないので、この件は放課後に後回しすることにした。兄は夜中に目を覚ますと身動きが取れない事に気付いた。確認しようにも真っ暗で何も見えない……。
「か、金縛りか……?」
その言葉と同時に身体の上に乗る何者かによって胸を鷲掴みされる感覚があった。
「うぉ……!?」
暗闇の中必死に抵抗するが身体は全く動かない。その時電気が点けられ部屋の中が見えるようになった。すると目の前にはやまたみの姿が見えた。 -
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ちやりん (chiyarin@mstdn.jp)'s status on Saturday, 12-Nov-2022 06:35:39 JST ちやりん @chiyarin
「や、やまたみ…………!?お前何をしてるんだ!!」
「そんなことより、見てコレ……」
そう言うと彼女はポケットから例の写真を取り出し見せつけてきた。
「こ、これは…………」
「お兄ちゃん……この際だから言うけど、私ずっとお兄ちゃんの事大好きだったんだよ?」
「なっ……!!まあ何となく分かってたぜ……あの時点でな」
「お兄ちゃんはいつか私の想いに応えてくれる、そう思ってたのに……っ!!」
「ちょっ、誤解だ、誤解なんだってっ、」
「じゃあこの写真は何なのッ!!!!」
そう言って再び写真をちらつかせた。
「違う……そいつはただの友人だ!しかもこいつ男だぞ!?」
「言い訳するなっ…………えっ今何て……?」
「だから、こいつは男なんだって……恋愛感情なんて抱けるかっての」
兄の口から出た衝撃の一言でやまたみは混乱していた。兄と一緒に写っている人物は一見どう見ても女性だ……しかしこの人物は男らしいのだ。彼女はますます混乱してくる。
「……確かめて見るか?」
「…………うん」
「そうか……じゃあまず縄解いてくれないかな」
「あっ、はい……」
そう言われやまたみは縄を解いた。
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