法律時報2024年5月号「特集 情報空間の秩序構想」 https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/1.html が面白そうなので、入手してちょっと眺めている。
国家に匹敵、あるいは超越する権力主体として、デジタルプラットフォーム企業が現れた現状を踏まえて、デジタル空間における立憲主義の実装を目指すデジタル立憲主義が一つの軸になっている感じ。
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t-oba (tsysoba@toot.blue)'s status on Sunday, 05-May-2024 05:00:39 JST t-oba -
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t-oba (tsysoba@toot.blue)'s status on Sunday, 05-May-2024 05:00:37 JST t-oba 法律時報2024年5月号で今のところ、特に印象的なのは、波多江悟史「EUにおけるメディアの自由と多元性——「欧州メディア自由法」を中心として」(p.33-38)。3月に成立した、欧州メディア自由法(European Media Freedom Act)について、成立前の案を元に紹介したもの。
ハンガリーにおけるメディア統制が背景にあるとのことで、関連して、EUにおける「法の支配報告書(Rule of Law Report)」による、メディアの多様性に関するモニタリングや、欧州民主主義行動計画(European democracy action plan)におけるメディアの自由と多元性の強化に関する取組みが取上げられている。
メディア自由法では、国家と大規模プラットフォーム企業の両者からの介入に対して、特に報道メディアの独立性と多様性を維持することを目指しつつ、各国が独立したメディア規制機関を置くことも定めていて、一定の介入可能性も確保することで、「民主主義と基本的人権の価値」を守ることも意図している様子で、このバランスの取り方は参考になりそう。In conversation permalink るまたん repeated this. -
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t-oba (tsysoba@toot.blue)'s status on Sunday, 05-May-2024 05:00:38 JST t-oba いくつか、法律時報2024年5月号「特集 情報空間の秩序構想」の収録論文を拾い読みしてみたところ。
デジタル立憲主義の議論は重要だと思いつつ、デジタルプラットフォーム企業に比して、国家の方が市民による統制の仕組みがある分ましなので、国家によるデジタルプラットフォーム規制を支持する、的な話が展開されているのは、ちょっとナイーブな印象もあり(多分、分かりやすくするためにあえて書いている側面もありそうだけど)。
プラットフォーム企業から国家は独立しているわけではなくて、企業はロビーイングや各種政策検討のための会議を通じて国家の側に働きかける主体でもあり、また、ソーシャルメディアおける世論が国家の政策に影響を与える状況下でプラットフォームにおける言論を一定程度左右できることの意味というところについて、もう一突っ込み欲しい気もした。In conversation permalink るまたん repeated this. -
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t-oba (tsysoba@toot.blue)'s status on Sunday, 05-May-2024 05:01:10 JST t-oba ついでに、法律時報2024年5月号の波多江論文で、法の支配報告書(Rule of Law Report)における「法の支配」について、2020年法の支配報告書からの引用がされていて、「法の支配」の説明としてとても分かりやすかったので紹介しておく。
「法の支配の下では、あらゆる公権力の行為は,いかなる場合であっても、法によって定められた制約の枠内にあり、民主主義と基本的人権の価値を遵守し、独立かつ公平な裁判所による統制に服する」(p.34)
さらに、これを受けて、「法の支配」を構成する原理として、同報告書では「透明で、説明可能で、民主的で、多元的な立法手続を伴う合法性、法的確実性、行政権の恣意的行為の禁止、独立かつ公平な裁判所による実効的な司法的保護および基本的人権の尊重を含む実効的な司法審査、権力の分立、法の前の平等」(同)が、挙げられていることを、波多江氏は紹介している。EU域内でどれだけこの理想が実現しているのか、という議論はあるかもだけど、「法の支配」という言葉を使う時には、頭に置いておきたい。
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