エトガル・ケレット『あの素晴らしき七年』読み終わった。今年読んで良かった作家のひとりは間違いなくミランダ・ジュライなのだけれど、この作家もその位置に来た。まだ1冊しか読んでいないけれど、とにかく素晴らしいよ。子供が誕生して、父親が亡くなるまでの7年間のエッセイなのだけれど、テロリストの攻撃で始まり、ミサイルが降ってくる最終話で終わる。中東情勢、宗教、私は恥ずかしいくらいとにかく無知だけれど本当に素晴らしい。
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:31 JST カンミ - 田淵 🐘 repeated this.
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:34 JST カンミ イスラエルで起きていることは紛れもなく悲劇で、子供は大人の都合で大勢死んでいる。この作品は宗教、国の都合と家族、自分のルーツを絡めているのに、驚くくらいあっけらかんとしている。ケレットは受け入れてるんだな。
田淵 🐘 repeated this. -
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:37 JST カンミ 「きみは軍隊に入ることをエクストリーム・スポーツみたいに言ってるぜ。でもぼくらになにができる?ぼくらは自分の命が軍隊に守られている、そういう場所に住んでいる。だから、きみが言っているのは、ほかの家の子どもに軍隊に入ってもらって命を犠牲にさせながら自分の子であるレヴには危険を冒させず、現実が要求している義務を担わせないってことなんだよ」「そうじゃないわ」と妻が返した。「わたしが言っているのは、もっと昔に平和的な解決に至ることだって出来たってことよ。そして今からだってまだその可能性があるってこと。そして私たちの国のリーダーがそうせずにいられるのは、たいていの人があなたみたいに考えるってことをあの人たちが知っているからだってことなのよ。あなたみたいな人たちは、なんのためらいもなく政府の無責任な手に自分の子どもを委ねてしまうんだわ」(p58)
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:39 JST カンミ 戦争中店に入ってくる人々は、コーヒーを注文するちょうどよい言葉を見つけるのに難儀したのだという。「コーヒー」を指す言葉はクロアチア語とボスニア語とセルビア語でそれぞれ異なっていたため、それぞれの言語では他意のない言葉の選択も、険悪な政治的合意があるように受け取れられかねなかったのだそうだ。「トラブルを避けるためにですね」とウェイターは説明してくれた。「みんなエスプレッソを注文しはじめました。それなら中立なイタリアの言葉ですから。そして一夜にして、ここではコーヒーではなくエスプレッソのみを出すようになったんです」(p140)
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:41 JST カンミ ケレットは映画も撮っているし、海外でとても高く評価されているのできっといろんな国に行くたびにイスラエルに今もいることを奇異な目で見られるし、今起きていることについて代表かのように意見を求められる。戦争は庶民には決して幸せなものではないし、そのひっそりとした根深さを見せてもらえたようでとてもよかった。
#カンミ読書田淵 🐘 repeated this. -
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Tuesday, 23-May-2023 13:31:43 JST カンミ あえて引用しないが、この作品の最後の方に書かれているケレットの作品の思わぬ広がり方が、彼のルーツにとても意味を為すもので。ぜひ読んでみて欲しい。根っこにあるものは悲劇なのに、とても美しく運命としか言いようがないから。