「きみは軍隊に入ることをエクストリーム・スポーツみたいに言ってるぜ。でもぼくらになにができる?ぼくらは自分の命が軍隊に守られている、そういう場所に住んでいる。だから、きみが言っているのは、ほかの家の子どもに軍隊に入ってもらって命を犠牲にさせながら自分の子であるレヴには危険を冒させず、現実が要求している義務を担わせないってことなんだよ」「そうじゃないわ」と妻が返した。「わたしが言っているのは、もっと昔に平和的な解決に至ることだって出来たってことよ。そして今からだってまだその可能性があるってこと。そして私たちの国のリーダーがそうせずにいられるのは、たいていの人があなたみたいに考えるってことをあの人たちが知っているからだってことなのよ。あなたみたいな人たちは、なんのためらいもなく政府の無責任な手に自分の子どもを委ねてしまうんだわ」(p58)