→ホワイトのナラティブ・セラピー論は、元々、自分の立場性を問うもの。それが換骨奪胎されて日本に紹介された経緯あり。西井さんの研究は、このホワイトの元の大事なところを取り戻したもの。
博多の事件。彼の凄惨な成育歴。周縁化され、メインの男性性から遠く離れ。暴力団的なところに属し、アルコールと暴力が有効な手段。そこから生まれる「一発逆転」。西井さんのD論で説明されている「一発逆転」と、相通ずる点がある。
彼らの困難さをすくい上げるものは何か。ひとつはAC。ACブームは重要だったが、2000代に入って、さらに、何が起きているのか。親との関係だけでなく、ジェンダー的な視点、男としての生きづらさに焦点が当たるようになったのでは。だから、「非モテ」という言葉に注目した点に、意味があったのでは。→