pixiv大百科に「女だけの街」なる項目が存在することに驚く。
女だけの街という構想に対する否定や批判(下記画像)の是非は置いておくとして、この街の構想がフェミニズム思想(もしくはフェミニスト)から産まれたものだという前提は大きく間違っている。
20年以上前に既に、第二派フェミニズム理論の第一人者であり最もラディカルな思想を持つフェミニストの一人でもあるベル・フックスが「女性だけの共同体にも家父長的性差別は存在する」と指摘していることからも分かる通り、この街の構想はフェミニズム思想からはかけ離れている。
フェミニズムが告発するのは女性の中にすら女性差別を内在化する社会システムであり、女性を優生的にみなすことでも男性個人個人に責任を負わせることでもない。
にも関わらず、この街の不完全さを挙げて「だからフェミニストは〜」「だからフェミニズムは〜」と批判してしまうのは、フェミニズムに対する誤解や無理解が既にどうしようもないステージに来てしまっているからであろう。
Notices by 箭玄南忽 (c8ufpjw5@mstdn.jp)
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箭玄南忽 (c8ufpjw5@mstdn.jp)'s status on Monday, 19-Jun-2023 10:30:00 JST 箭玄南忽 -
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箭玄南忽 (c8ufpjw5@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 18-Jan-2023 09:53:32 JST 箭玄南忽 @rurunpo そうですね。
「男性はまず人間として見られるが、女性はまず女性として見られる」という有名な言葉があるように、女性は女性であるというだけで色眼鏡で見られ、他のカテゴリも持つ存在だということが忘れられがちです。
昔、部落差別についての話を読んでいた時に部落差別反対運動の中で裏方仕事を女性が担っているのを見て、被差別者の中でも男女間の権威関係は変わらないのかと唖然として覚えがあります。 -
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箭玄南忽 (c8ufpjw5@mstdn.jp)'s status on Monday, 16-Jan-2023 16:55:09 JST 箭玄南忽 Twitter界隈だとこういった意見が支持されがちで何百RTされる。
素朴な意見として、どちらも搾取的な環境に身を置いているのは事実じゃないかと感じるのは否定しない。
しかし重要なのは、フェミニズムが主に問題としているのは「ある特定の場面での女性への搾取行為」ではなく「女性総体を被搾取関係に置くようなスキーマ間の権威的な関係性」だということ。
個々の事例のみを見れば大多数の女性よりもはるかに搾取される環境を強いられている男性もいるだろう。
ではなぜフェミニズムが女性の性産業をとりたてて搾取だと問題視するかというと「女性というスキーマに当てはまる存在が搾取されている権威関係」を背景とした構造下における搾取、即ち二重の搾取を解消すべきことだと捉えるためである。
つまり「どちらも個人的生活の皮層において搾取されているというのは正しいが、その搾取そのものがメタ・システムの搾取関係を前提としているかこそ、フェミニズムの論点なのである」。
ジョン・レノンが「女性は奴隷の奴隷」だと歌っているが、まさに的を射ているといえよう。