といった話と関連するだろうか。内田聖子『デジタル・デモクラシー ビッグテックを包囲するグローバル市民社会』(地平社、2024年)を読了。
世界中を席巻するビッグテックの動きに対して歯止めをかけようとする世界中の様々な動きをまとめたルポ。『世界』で連載してたものに加筆をして単行本になった。
https://chiheisha.co.jp/2024/03/07/9784911256008/
個人的には、第7章のゴースト・ワークの話が興味深かった。最新デジタル技術を支えているのが、結局膨大な数の低賃金労働による人力であり、しかも相当に疎外的トラウマ的な酷い労働だというのは衝撃だった。そのものズバリ『ゴースト・ワーク』ってタイトルの本もあるんだね。そちらも読みたい。
第6章のスマート農業の話なんかもそうだが、デジタル技術が状況を良くしているのですらないのがなんとも言えない。「役に立ってるのだが格差は広がる」という話ですらなく、「むしろ状況を悪くしているのに、提供企業だけは儲かる」という、相変わらずの「社会的費用押し付けのやらずぶったくり資本主義の再演」という感じ。宇沢が化けて出そう。