かつて、1970年代であれば、親との断絶は「悲しいが必要なこと」とされていて、映画はそれを「親からの独立」として描いた。もしかすると、日本を含むアジアでは、今もそういう描き方が多いかもしれない(映画は理想を描くので、現実にはそうしたいができないという沢山の人がいることが想像される)。ところが、21世紀のアメリカでは、家族の断絶はもやは断じて避けるべきものなのだ。
このあたりはアメリカの一般の価値観にも表れていて、今授業で使っている本でも、アメリカの調査で「家族とは価値観を共有する存在」「家族は自分が自分自身でいられる場所」「家族は支え合うもの」という答えが多く得られたことを報告していた。
ただ、かつてと違うのは、多くのアメリカ人が「家族は血縁者に限らないし、また血縁者をすべて家族と見なす必要もない」と考えていることだ。つまり、全体として家族に関してかなり大きな価値観の転換がある。
こういうものは、そのうち日本にもやってくる(というか、もうやってきて居て、どこかで主流化されるの待っている)と思うのだけど、どういう形で出てくるんだろう、と映画見ながら思った。