岡本茂樹「反省させると犯罪者になります」(新潮新書)読了。著者は、刑務所で受刑者の面接をしたり更生のためのプログラムを作って授業をしたりしている人。著者と接する受刑者は比較的重大な犯罪を犯した男性で、さまざまな受刑者と接した経験から「いかに受刑者を更生させ、再犯させないようにするか」「そもそも最初の犯罪を犯すのをいかに防ぐか」ためのヒントをまとめたのが本書。
タイトルは過激だけど、著者の主張としては「加害者自身の感情を抑圧したままに被害者の気持ちを考えさせたり反省文を書かせたりしても、結局は加害者自身の感情は抑圧したままなので再び爆発して問題が起きてしまう」というもの。要するに反省文の前にまず自分の感情にじっくり向き合わせてそれを吐き出させることが大事だよ、ということ。それをしないで反省文を書かせても反省文が上手になるだけだよというのは納得できる。