で、これは大きな犯罪を犯す前、子供や生徒が何らかの問題行動を起こした時の親や教師の対応にも求められる。万引きとか喫煙とか、そうしたことがあったときに怒って反省文を書かせても問題の本質的な解決にはつながらない。そうではなくて、子供本人の本音をしっかり聞くべき(親との関係で感情を抑圧していることが多い)、たとえ子供が道徳的に間違っていることを言っても「正直に話してくれてありがとう」というスタンスで受容的に受け止めることで子供の方が自然と変わっていくということらしい。
日本の少年院や刑務所では(※2013年の本なので現在の状況は違うかも)、被害者の気持ちを考えさせる指導が中心になっているそうなのだけれど、それだとむしろ再犯率が上がるという研究もあるらしい(ただ、刑務所での指導とその効果についての研究は少ないので良く分からない部分が多いらしい)。
被害者の気持ちを考えると再犯率が上がるのは、自分は罪深いことをしたと思う→自己イメージが下がる→出所してからは他者との関りを避け孤立する→生活がたちゆかない→再犯 という流れではないかという仮説が示されている。