1790年、コンドルセは「女性も平等な権利を持つ」と論じて社会に衝撃が走る。フランス人権宣言の「すべての人の平等な権利」という言葉から導かれる結論として「すべての人には、女性も含まれる。女性には平等な権利がある」と考えたが、これは当時としては革命的な考えだった。
1791年、女性の劇作家オランプ・ドゥ・グージュは『女性の権利の宣言』を発表するが反発も大きく、やがて反革命分子としてギロチンで処刑される。1792年、メアリ・ウルストンクラフトは『女性の権利の擁護』を著し中傷を受ける。
以上はほんの「さわり」で、このほか思想家や小説家の人権に関する言及が山盛り。アンチ人権言説のバリエーションは、18世紀にかなり出そろっていることが分かります。
バークやベンサムの非難に耐えて、人権は着々と社会に実績を積み上げつつある。20世紀以降の人権への批判は「先進国は二重基準だ」というもの(南アフリカがイスラエルをICJに提訴した一件も、この文脈で見ることができるでしょう)。これは少なくとも先進国の間では基準がある程度行き渡ったということでもある。
まだまだ不完全だけれども、人権は、少なくとも我々が進むべき方向と希望を指ししめしている! (「ジョジョ」の台詞みたいですが、実際にその通りだと考えています)