それから、復興予算が「1兆円」といった数字が躍っているようですが、被害規模の見積もりを正確に行わないで、予算規模ありきで復興事業を開始すると、過大な投資が行われるだけでなく、震災対応で忙殺されてる行政が、事業を捌ききれず、職員が疲弊するのみならず、施策のクオリティが維持できずに外注業者に丸投げし、一時的に派手な予算の使い方をする一方、行政の規定によって必要なところにはお金がまわらないといった状況になります。
こうなると、復興事業そのものが、二次災害という世界線になります。
これも東日本大震災のときに起きたことです。
そもそも被害額の見積もりが過大であり、そのことが過大な復興予算を呼び込み、予算を捌ききれない行政は、行政の事業年度規定などの制約によって、粗雑な立案執行が横行し、あれだけの予算額をとうかしながらも、実に無駄の多い使い方になりました。
これらの経験もいかして、政治家の主導する予算規模ありきの復興計画には、まず具体的な復興計画の内容を詰めろ、なにが可能でなにが不可能か、何が必要で何が不要か、どうやれば住民合意が得られる仕組みがつくれるのか、それをまず考えろ。予算規模の話はそれからだ、と強く要求すべきだと思います。