概念を分析するに際しては、プラトンの探究のパラドクスみたいな話で、ある程度は探究対象について前理論的な認識を前提としたうえでそれを明示化・理論化することが必要で(そうでないと何の話をしているのかわからなくなる)、だからジェンダーアイデンティティについての概念分析をするにはその半直示的定義を通じてその概念の用法を(言語化はできずとも)すでに身につけたうえで、「ではこれを言語化すると?」と考えるか、それができないならそうした用法を身につけているひとたちの言動をもとにデータを集めてそこに見られる特徴を一般化する方向で話を進めるかくらいしかやり方がなく思います。この概念に限らず、概念分析全般がそうですが。