何も考えず、ただ働けば生活ができた《ふつう》が成り立っていた時代はもう過去。アメリカの属国を受け入れることでかりそめに成り立っていた豊かさはどんどん切り崩されて、見ないふりが出来ないほどに暮らしがひどくなっている。なのに多くの人がそれを引きずっていることが問題。
要は怠惰である。
がんばっている。
でも自分の人生を生きるがんばりかたではない。
自分と同様に困っている人間とともに助かりに行こうとするがんばりかたではない。
大きな物語によって、助けてもらおうとしすぎである。
助かりに行く。
黙って過労するのではなく、必要な補助を受け取りに行く。
そもそもの問題はどこにあるのか知りに行く。
ふつうの幸せは人の数だけあるべきもの。それが成立していかない現状なら積極的に主体的に動くこと。そういう、一番やりたくない、めんどくさいことを、なるべく色んな立場の人間が数の力と知恵を駆使してやるしかないと知るしかないのだ。それが自分たちの《ふつうの幸せ》を守るための一番の近道でもあるのだから。