田川さんの指摘をもういちどまとめておく。
1.古代のユダヤ人のディアスポラ(パレスチナ地方からローマ帝国の各地への移住)は、ユダヤ王国の滅亡以前から始まっている
2.ディアスポラの人口の多さは、パレスチナ地方からの移住や移住先での出生だけでは説明できない。ユダヤ教への改宗者の多さが想定できる。
3.ユダヤ王国が滅ぼされた後も、その国民やユダヤ王国に属さないユダヤ人はパレスチナに住み続けた。
4.ゆえにユダヤ人を「古代にパレスチナから追い出されて世界中に散り散りになった人々」として理解するのは間違い。