【 #ウトロ平和祈念館 訪問②】
祈念館の展示には、ただ単に闘いの歴史を展示しているだけではない。
飯場がたくさん残っていた頃の、ウトロに住む人々の生活を再現した展示があった(残念ながら展示室は撮影禁止)。
等身大写真で再現されたオモニ(韓国語で「母」という意味)が「そこのあんた、一緒にご飯食べへんか~?」と声をかけてきそうな雰囲気だった。リアルな生活の再現に心が温まった。
宇治市内が上下水道を整備する中で、ウトロだけ上下水道なしで、豪雨になれば冠水という劣悪な住環境だった。
しかしウトロの人々は、劣悪な住環境にもめげず、懸命に助け合って生きてきた。
ウトロは「故郷」と思って生きてきた。
1980年代から2000年代の長期にわたって、地上げ業者や日本政府と闘ってきた原動力は「故郷」を守るための闘いなのだ、と祈念館の展示を見て感じた。
「歴史は、権力者が作るのではなく、人民がつくる」
そのことを、ウトロの人々は、歴史を通じて教えてくれている。
「生まれた時から既に、お金もあり、住処もあり、国から退去されることもない」という「特権」を持って生きている、われわれ「日本人」は、ウトロ、そして、在日コリアンの苦難の歴史を学ばなければならないと思う。
同じ日本に住む人間、地球に生きる人間として、共に生きていくために。
ウトロ平和祈念館は、大阪から約1時間半あれば行くことができる。
ぜひ、一人でも多くの人が、ウトロ平和祈念館へ訪れることを、心から薦めたい。
ウトロ平和祈念館公式サイト
https://www.utoro.jp/