その点でいえば、第二次世界大戦は、第一次大戦基準で考えれば、革命が起こったり政府が崩壊したり軍隊が反乱したりするレベルの損害や敗北があっても、なお各国は戦争を継続することができたわけです。レーダーや原爆だけでなく、宣伝技術でも第二次大戦は前の大戦より「進歩」していたのでしょうか。
それこそゲッベルスの手腕だったのでしょうか。あるいは一次大戦になくて二次大戦にあったラジオの効果だったのでしょうか。私は宣伝やプロパガンダの歴史には疎いですが、この大きな変化の要因の研究は何かあるのでしょうか。これは国家がより多くの人命を蕩尽できるようになったことでもあるのです。
そして人命の蕩尽といえば、特攻に代表される日本の蕩尽ぶりは恐るべきものです。死ねといわれて従順に死んでいく日本人とは何なのでしょうか。それは「素晴らしいこと」なのでしょうか。それはむしろ、権力に一方的に都合のいい、奴隷以下の―奴隷は資産だから無駄遣いしない―何かではないでしょうか。