負けたり崩壊した国ばかりではありません。フランス軍も、膠着した塹壕戦を48時間で勝利に導くと豪語したニヴェル攻勢が失敗に終わり、犠牲の多さにフランス軍の多くの部隊が反乱状態になったといいます。それ以後の西部戦線は、イギリス軍と増援のアメリカ軍が主に攻勢を担いました。
こうしてみると、第一次大戦では、敗色が濃厚になると軍隊が崩壊した例がいくつもあり、それが革命につながった例もあるわけです。それと比べると、絶望的な戦況になっても、多数の人命を犠牲にしながら戦闘が継続された第二次世界大戦とはなんだったのか、という疑問が浮かんでくるのです。
第一次世界大戦は史上初の総力戦となり、人員や物資の動員を国民に納得させるためプロパガンダが盛んに行われます。といっても、この当時は新聞や雑誌、ビラやポスターといった文字メディアが中心だったでしょう(映画はあったか)。この国民の説得が失敗した国から崩壊していったわけです。