またロシアも、第一次大戦では現在のバルト三国やベラルーシ、ウクライナあたりまでドイツ軍に攻め込まれましたが、ペトログラードやモスクワは戦火に遭っていません。でも革命が起こってロシア帝国は崩壊してしまいます。第二次大戦の独ソ戦では、ドイツ軍は一次大戦より奥深く進撃しました。
レニングラードは包囲されて多くの餓死者を出し、モスクワでもクレムリンが遠望できるところまでドイツ軍は進撃しました。でもスターリンのソ連政府は崩壊せず、逆にドイツ軍を撃退します。それまでのソ連が、内戦やホロドモール、大粛清などの人命の損失を重ねながら、それでも勝ったのです。
第一次大戦では、国家崩壊の前に、軍隊が打ち続く敗北に戦意を失った例がいくつもあります。ロシア帝国がそうですし、そのロシアのブルシーロフ攻勢を受けたオーストリア=ハンガリー軍も崩壊状態になったといわれ、その後はドイツ軍が督戦隊のようになってようやく戦線を維持しました。