“(略)天皇の巡幸は、戦前と変わらない国家の差別意識をも露にしていた。天皇の九州巡幸に先立ち、九州各地の右翼団体や労働組合、共産党の活動とともに、在日韓国・朝鮮人の動向が「第三国人関係の動向」として、福岡県の被差別部落の動向が「全水関係者の動向」として警察に調査され、報告書が宮内府に送付されている。”
“在日韓国・朝鮮人や被差別部落住民を治安上危険視する偏見は戦後にも受け継がれ、ごく当然のように、在日韓国・朝鮮人や被差別部落の人びとは警察の監視下におかれたのである。”
第4章 引き直される境界 象徴天皇制と差別