射精責任、途中まで読む。ある程度「見識」のある男性なら特に差別に関する知識や意識がなくともコンドームはつけているのではないか、と考えると、この本で「怒られる」男性たち=本文中で例として引き合いに出される男性たちは相当なアホなので、たぶん彼らにはこの本は響かない気がする。もちろん、ある程度の「見識」(ここで言う見識とは「ぼやっとした常識」程度のもの)がある男性がさらに理解を深めるのにも役立つので、無益ではない。
おそらく本書を批判的に言及する者はある程度以上の知識や意識がある者で、だからこそ本書の軽率な部分について指摘をするのだけど、編集および訳者がそれを一律的に跳ね除けてしまったことで、余計な問題を生じさせてしまったように思える。くわえて、本書(おそらく原書自体)の持つ(少々)煽動的なスタンスを版元側が加速させて売り出してしまったことも、個人的には首を傾げる部分である。たくさん届けたい読まれたい、そうなるべきだ、という思いは理解できるが、こと「反差別」を目的とする本に関しては、数よりも質、つまり「どのように届くのか(=読まれ、理解されるのか)」のほうを重視すべきであり、そこを無視してしまっているように思えてならない。
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R sekiguchi (gucchi_penguin@fedibird.com)'s status on Friday, 21-Jul-2023 19:54:50 JSTR sekiguchi