差別禁止法が必要だとずっと思いながら読んでいた。それが実現するのは今ものすごく難しいことでもあるとも思う。でもやっぱり必要だ。
・ホロコースト否定論と日本版歴史否定論(アジア侵略と植民地支配の否定)の相似と差異。
・ホロコーストの歴史が公的に記憶されておりネオナチも規制されていることへのバックラッシュである
・日本の場合、アジア侵略と植民地支配の歴史が公認されておらず、被害者の「証言」から攻撃が始まった「慰安婦」否定論。
・日本型反差別では被害者を加害者の目前に晒すが、加害者にとって事実も人権もどうでも良い。対置すべきは社会正義
天皇制は廃止してほしい。本当に。本の中で安倍晋三を極右政治家としているのはしっくりくる。
・2000年の女性国際戦犯法廷を取材した番組の改編。安倍晋三(当時官房副長官)による圧力。「慰安婦」問題と昭和天皇の戦争責任を認める内容だったためにその後もマスコミは黙殺した。
“歴史否定を使って極右が攻勢をかければ、国や自治体はもちろん政治家やマスコミさえ沈黙し、ほとんど何の抵抗もなくレイシズムが増大するという、二一世紀日本で日々見られるパターンがこの時(2001年)にすでに確立されていたのである。”「第六章 日本のレイシズムはいかに暴力に加担したのか」
“(慰安婦否定論は)極右の大学教授や文化人や政治家を巻き込んで、しかも日本政府が主導して大々的に煽動された。”「同上」