先のブログで触れなかった論点を補足しておくと、植民地に道路や鉄道を整備するのは経済的利益以外に大きな目的があって、植民地で反乱(独立運動)する勢力を迅速に鎮圧できるよう、軍隊の移動手段としてでした。山田盛太郎的に言えば「軍事警察機構」としての鉄道や道路ですね。
確かジェフリー・パーカーの『長篠合戦の世界史』(邦題はひどいが内容は面白い)で書かれていたと思うのですが、17世紀から18世紀まで始終反乱していたジャコバイトが最終的に鎮圧される要因は、スコットランドやアイルランドに道路が整備されたためだといいます。
というわけで、19世紀に至って植民地に碌な鉄道網を整備できないのは、植民地をまともに統治する意欲や能力がないダメな国、ともいえます。ここでアフリカの地図を開くと、そこそこの鉄道網があるエジプトとアルジェリアに挟まれて、鉄道不毛のリビアが広がっており、イタリアの後進性が確認できます。