『台湾の少年』刊行イベントレポート(後編)
原書では台湾語・日本語・北京語と、複数の言語が吹き出し表記されていることについて
脚本担当・游珮芸「台湾の日本植民地時代の「国語」は日本語です。戦後に「国語」は北京語となります」
岩波・須藤「この作品が台湾で紹介されるとき、しばしば「移行期正義」という言葉が使われていました。「移行期正義」とは、ある社会において起こった過去の人権侵害などに、現在から向き合って対処しようとする試みのことですが、この言葉は日本ではまだそこまで浸透していないかもしれません。こうした“移行期の正義”をテーマにした作品は、台湾では増えているのでしょうか?」
白色テロの時代を描いた映画
『返校 言葉が消えた日』『スーパーシチズン 超級大国民』『悲情城市』『牯嶺街少年殺人事件』
須藤「台湾の映画では、北京語だったり客家語だったり、さまざまな言語が使われています。有名な『牯嶺街少年殺人事件』などもそうですが、どの場面で誰が何語で話しているかは、字幕だけ見ているとわかりづらいですが、実は重要な情報です」