芋はかんぬきの手をさしだし
湯をそそぎながら
なまにえになるなよと祈ったろう
深刻なすがたで
ばかしものへささやくまものよ
くまのしおからがかおだ
まものよ まくらよ
いびきくる方面のいやなかおよ
きみはなべか
いまや鉄のなべを顔としてたたえるよ
やがているか山賊は点火するだろう
おごそかなはちまきを巻き
海へそそぐ用意をかんがえながら
立派ななすびとして
ねむり畑のなりあがりものとして
ねぼけまなこで収穫される芋としての人間へ
やあ蛇がみんなひとのみだ
山賊は人間最後だったんだぞ
でも山賊はのこるからよい