小原猛の沖縄怪談を読んでいると、特にユタでもない一般市民の感覚も独特に思える。例えば、火事で全焼した理髪店の隣にあるラーメン屋で姿は見えないものの鳥の鳴き声がする。それについて店主が「この前の隣の火事と関係があるかもしれない」と言って周りの人も何となくその説を受け入れることで、見えない鳥の囀りについては、そういうことになってしまう。そんな風に、そこを関連づけて考えるんだ、と思うシーンが結構ある。