半蔵門の国立劇場で文楽を観てきた。演目は「女殺油地獄」。
油屋のおかみさんで三女の母のお吉が、別の油屋の放蕩息子の与兵衛に借金を頼まれて断り、お金目当てで殺されてしまうというお話。
今回の演出(というのか?)では、与兵衛を色悪にせず、お吉も子供を庇って必死になる様を描いていて、2人の間に色っぽいような空気をあえて作っていないように感じた。現代的な解釈で演じられていたのかなと思った。
演出といえばだが、文楽は、台詞や地の文にあたる言葉を伝える「義太夫」と、音色で空気を作る「三味線」と、人形を動かす「人形遣い」で作られる。人形は三人がかりで一体を動かす。おそらくこれらと別個の演出家という存在はいない(?)ようなので、
「どういう方向性で演出するか、このうちの誰が決めるのか? それぞれの解釈があって噛み合わないことはないのか?」
とずっと不思議に思っていた。
するとあるとき、義太夫さんのトークイベントでまさにその話になり、
(続)
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Monday, 06-Feb-2023 21:46:26 JST桜庭一樹