#類体論へ至る道
補題1
定理12.3において$\mathfrak{A}\neq R$が成り立つ。
(証明)
$1\not\in \mathfrak{A}$を示せば良い。
仮に$1\in \mathfrak{A}$とすると、$\mathfrak{A}$の定義によって
$1=\sum_{k=1}^{n} y_k^{(λ)}f_k^{(λ)}$…②
となるような$R$の元$f_k^{(λ)}$が存在する。
$(f_k^{(λ)}$は有限個を除いて$0$である$)$
$f_k^{(λ)}\neq 0$
であるものを
$f_{k_1}^{(λ_1)},…,f_{k_p}^{(λ_p)}$
とする。
$K_0=K$とし、$K_{i+1}$を$K_i$上の
$f_k^{(λ_i)}$の根体とする。
根体の定義によって
$K_{i+1}=K_i(θ_i),f_k^{(λ_i)}(θ_i)=0$
が成り立つ。
$θ_1,…,θ_p \in K_p$であり、
②に代入すると
$1=0$
となって矛盾が生じる。
(証明終)