男が性的な暴力性を超えるには、性愛と生殖を切り離すのみならず、コミュニケーションとしてのセックスも放棄すべきで、情報資本主義による(性の商品化ならぬ)商品の性化を推し進め、オナニストになるべきだと。メンズリブとしてのオナニスム。来るべき人工子宮の発明は生殖革命であり、恋愛やセックスを特権化するコミュニケーションの革命であると。女性の出産の自由は、男がごちゃごちゃ言わず、テクノロジーによって守られるべきとする。伊藤比呂美の詩を引きながら、子産みとは神聖なものではなくたんなる排泄であり、オナニーである、そしてそれで十分めでたいことなんだと。妊婦こそが原初的なオナニストであっていいはずだと。(『オナニズムの仕掛け』)