金塚貞文のオナニズム三部作、『オナニズムの仕掛け』(1987年)、『人工身体論』(1990年)、『オナニスト宣言』(1992年)、今読み返してみると、すごいな。昔読んだときは、ラディカルフェミニズムの衝撃を男性身体/セクシュアリティで受け止めようとして、受け止めきれずに、自爆的アイロニーに逃げ込んだ、というふうに思っていたけれど、むしろ刊行から20年後の現在(AR/バ美肉おじさん的なものとインセル/アンチジェンダー的なものの時代)においては、アイロニーではなく「ベタに」「まじめに」読み直すべきテクストであるように思える。