#類体論へ至る道
補題2
$f$を群$G$から群$G‘$への準同型写像とする。このとき、$f$が単射となるための必要十分条件は
$ker f=\{e\}$
$(e$は$G$の単位元$)$
となる事である。
(証明)
単射→$ker f=\{e\}$:
$a \in ker f$とすると $f(a)=e’$
P108問題3より $f(e)=e’$
∴ $f(a)=f(e)$
$f$は単射という仮定より$a=e$
よって$ker f \subset \{e\}$
∴ $ker f=\{e\}$
←:
$a,b \in G$について$f(a)=f(b)$と仮定する。この式の両辺に$f(b)$の逆元$f(b)^{-1} \in G$を右側から掛けると
$f(a)f(b)^{-1}=e’$
P108問題4より
$f(a)f(b^{-1})=e’$
$f$は準同型なので
$f(ab^{-1})=e’$
仮定より
$ab^{-1} \in ker f=\{e\}$
∴ $ab^{-1}=e$
∴ $a=b$
(証明終)