橘もえぎ、というらしい。
わしの様子が変なので、少し心配そうな顔をしているこの女性が、今のわしの秘書ということのようだ。というか、どうやらわしは馬主になるために、この競馬場に来たのだ。全然憶えはないが。
どうしてこうなった。
頭を抱えたくなる。一度ゆっくりできるところで現状を整理したい。
とりあえず味皇ビルに戻りたいと橘さんに言うと、「は?なにそれ」みたいな反応が返ってきた。こっちがなにそれ、だ。秘書が味皇ビルを知らないはずがない。おかしい。これは夢なのか?
ホテルがとってあると言うので、そこに一旦落ち着くことにした。とにかく情報がほしい。ワケがわからん。