『伽藍とバザール』(がらんとバザール、英: The Cathedral and the Bazaar、カテドラルとバザール)は、エリック・レイモンドによって書かれたオープンソースソフトウェア(OSS)のソフトウェア開発方式に関するエッセイおよび書籍である。
当記事では、Cathedralの訳語に伽藍、Bazaarの訳語にバザールを使用する。訳語については、「Cathedral」の日本語訳の節を参照されたい。
伽藍方式としてGNU Emacsの開発スタイル、バザール方式としてLinuxカーネルの開発スタイルとFetchmailのマネージメント経験を挙げ、ソースコードを常時公開して多くの利用者・開発者がソフトウェア開発に携わる開発手法のメリットを主張している(「ソースコードを常時公開して多くの利用者・開発者がソフトウェア開発に携わっている」、という点はGNU Emacsでも後者と全く同じである。従って主張されているメリットは、「伽藍方式」と「バザール方式」の違いのうち、それとは異なる点に由来する)。
歴史
1997年5月27日、ドイツのヴュルツブルクで開催されたLinux Kongressで講演の形で発表された。その後、1999年に書籍として出版された。原作書籍の表紙に描かれているイラストは、トレチャコフ美術館所蔵のリュボーフィ・ポポーワによる1913年の絵画『Composition with Figures』である。エッセイは2000年前後以降よりOpen Publication License 2.0の下で公開されている。日本語翻訳版は山形浩生が1999年に執筆し、オープンコンテント相当の制約で公開されている。
本書はオープンソース4部作となる『伽藍とバザール』『ノウアスフィアの開墾』『魔法のおなべ』および2011年現在未発表の『Weaving the Net of Indra』のうち、ソフトウェア関係者向けに書かれた最初のひとつである。
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