橋場弦『古代ギリシアの民主政』(岩波新書、2022)は本当にいい本だった。歴史研究に基づく教養書で、わかりやすく、かつ深い。何となく知っているだけのこの制度のことが詳しくわかる。そしてもう一つ良かったのは、ソクラテスやプラトンの立ち位置がはっきり分かったこと。彼らはエリート側の(あるいはそうなりたかった)知識人で、反民主主義者のなのだ。そこを僕は今まで曖昧にしか理解できていなかった。