[研究ノート] T.G.マサリクのボルシェヴィズム批判
石川達夫
チェコの社会学者にして初代大統領トマーシュ・ガリッグ・マサリクのボルシェビズム批判を紹介。かなり面白いです。必読モノ。PDFなどでダウンロードできます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aees/9/0/9_4/_article/-char/ja/
[研究ノート] T.G.マサリクのボルシェヴィズム批判
石川達夫
チェコの社会学者にして初代大統領トマーシュ・ガリッグ・マサリクのボルシェビズム批判を紹介。かなり面白いです。必読モノ。PDFなどでダウンロードできます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aees/9/0/9_4/_article/-char/ja/
ちなみに批判のポイントを抜粋すると・・・
・ボルシェヴィズムはマルクス主義の正当的継承ではない。
・ボルシェヴィズムは多分にロシア固有の条件や伝統の産物であり,農村的ロシアのプリミ ティヴィズムを反映しており,ツァーリズムを克服していない。
・ボルシェヴィキ革命はマルクスが予想したような社会主義革命ではなく,後進国において例外的な状況のもとで武力によって可能にされた単なる政治革命にすぎない。
・革命以前の経済・社会・政治・文化等の成熟なしに,革命それ自体が人間や社会を変えう
る創造的なものだと考えているところに,レーニンとボルシェヴィキの致命的な誤りがある。
・ボルシェヴィキの「プロレタリアート独裁」はマルクスが想定したものとは異なり,少数者の多数者に対する独裁であり,プロレタリアートに対する独裁であり,民主主義の欠如から生まれた貴族主義的寡頭制である。
・ロシアの大衆は教養も意識も低く,マルクスが想定したような,革命を担いうるプロレタリアートではなかった。
・ボルシェヴィキ革命は,社会主義革命のための条件が未成熟で大衆の教養と意識が低いところで武力によって実施された政治革命であるために,絶えざるテロルと反革命闘争・異端審問によって維持されねばならず,あまりにも多大で無用の流血と犠牲を強いた。
・人類の発展の現段階で共産主義を政治的理想と見倣し,完全な平等や平準化を求めるのは正しくなく,社会の活力ある発展のためには個人主義が不可欠である。
・ボルシェヴィズムの中央集権主義は非常に強いものであり,個人と社会の正常な働きを妨げるものである。
・ ソビエトにおける人民化・国有化は真の社会主義的社会化ではなく,ソビエトは国家資本主義ないし国家社会主義の国となり,巨大な官僚主義国家となっている。
・ボルシェヴィズムは,社会主義思想に伝統的に流れている人道主義を裏切り,自由と民主主義を圧殺している。
・ソビエトの社会主義は,資本主義諸国に依存して成り立っているものである。
今となっては正解だったとしか言えませんね?
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