レジー『ファスト教養』(集英社新書)。これはとても面白い。ひろゆき、中田敦彦、カズレーザー、DAIGO、前澤友作、ホリエモンなどのインフルエンサーを求める欲望は、ネオリベ的価値観を内面化したロスジェネ的な感性の正確な延長上に出てきたものなのだ、とあらためて。コスパやワンチャンを求めるファスト教養は、努力よりも偶然や運に左右されがちな世の中ーービジネス界隈で「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代」と呼ばれるーーにおけるサバイバルツールである。つまり、地道に努力するのではなく、最小限の力で最大限の成果を上げていかなければ、そもそも生き残れない、成長し続けねば競争から脱落する、という強迫観念。楽をしたいというのとは違う。ほとんど資本主義そのものが気候変動や環境破壊の等価物のようなんだよな。
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杉田俊介 (sssugita@mstdn.jp)'s status on Thursday, 22-Dec-2022 13:19:32 JST 杉田俊介
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杉田俊介 (sssugita@mstdn.jp)'s status on Thursday, 22-Dec-2022 15:46:40 JST 杉田俊介
お金や権威のみを価値とし、公共(福祉国家)を嫌悪し、文化の蓄積を唾棄し、個人のサバイバルを重視し、自己啓発的なライフハックをすすめ、露悪的にふるまい、勝つためには公正なルールの抜け道(チート)を探すことも辞さない。そうした価値観がデフォルトとなったのは、広い意味でのロスジェネ運動的なものの敗北から来ているのみならず、小泉純一郎/ホリエモン的なものの敗北からも来ているのだろうか?つまり、ネオリベですらない、(アガンベンの概念を転用すれば)「単なる剥き出しの資本主義」への屈服とニヒリズム。
トムスプリング repeated this. -
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杉田俊介 (sssugita@mstdn.jp)'s status on Thursday, 22-Dec-2022 15:46:40 JST 杉田俊介
こないだのサッカーワールドカップのAbemaTV解説で話題になったケースケホンダ、維新の会的なもの、インフルエンサー的なものに近いポジションにあるのか。やばいな…
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杉田俊介 (sssugita@mstdn.jp)'s status on Thursday, 22-Dec-2022 15:46:41 JST 杉田俊介
中田敦彦のYouTube大学とは「読書代行」であると。なるほど。批評よりも書評(価値判断なき紹介)が求められ、書評よりもさらに読書代行が求められるわけだな。これがポストクリティークの時代。
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杉田俊介 (sssugita@mstdn.jp)'s status on Thursday, 22-Dec-2022 15:46:41 JST 杉田俊介
小泉純一郎内閣以降の自己責任論+公共(福祉国家)嫌悪がファスト教養の源流であると。2004年は自己責任が新語流行語大賞のトップテンに選出された年であり、ライブドアのホリエモンが時代の寵児になった年でもある。少なくとも当時のホリエモンには、小泉が「抵抗勢力」を敵としたように、旧来の社会システムを変革する、若い人々の感性で社会を変えていく、という意識があった。それはロスジェネ運動の「戦後社会を変えられるかもしれたい」という変革意識とも危うく共鳴する部分があった。
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