子供の頃からふしぎと不協和音が好きだったのだが、音楽を聴くという習慣とは無縁だった。そういえば大学に入った後で、「サークル」で、どんな音楽が好きかと聞かれて、困ってしまって不協和音と答えて、話が続かなかったことがある。その「サークル」は経済学部の地下の階段の下の部分にサークル・ボックスがあって、そこでは四六時中音楽が鳴っていた。当時は音楽サークルとも関係が深かったので、比較的マシなデッキとスピーカーがBOXにあって、「部員」がめいめい持ち寄ったカセットテープ(そういう時代だ!)をかけていたのだが、私は、ひどく受動的に他人がかけていたものを聞いていた。おそらく今だと耐えられないが、当時は、関心がなかったので、たとえば朝から晩までスラッシュメタルが流れる部屋で「仕事」をして平気だった。
いろんな人がいて、かなりの種類の音楽を聴いたはずだが、まったく記憶に残っていない。いちおう自分でも音楽は聴いていたはずだが、おそらく人間の真似をする宇宙人みたいな感じで「音楽を聴く」という行為を真似ていたのだと思う。
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ねずみ王様(blue) (yeuxqui@toot.blue)'s status on Sunday, 18-Dec-2022 23:16:55 JST ねずみ王様(blue) - きゅいずa k a YZOX repeated this.
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ねずみ王様(blue) (yeuxqui@toot.blue)'s status on Sunday, 18-Dec-2022 23:33:37 JST ねずみ王様(blue) 初めて音楽を「聴いた」瞬間は記憶に残っている。おそらくは25歳くらいのとき、友人の下宿で聞いたJB's のFood For Thought だ。人生は明確にそれ以前と以後に分かれている。
あの「サークル」では、それこそ朝から晩まで、下宿にいるよりも長い時間をそのBOXで過ごした。学校に着くと、まずBOXに行って、授業に出ずに帰ることもしばしばだった。「文化」というべきか「風俗」というべきか、ほとんどすべてのことを教えてもらったが、音楽にだけは、そこで「出会う」ことはなかった。すれ違ったという感じだ。あの時の自分が、どんな「少年」だったのか、ちょっと思い出してみたいが、完全に霧の向こうにある。 -
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ねずみ王様(blue) (yeuxqui@toot.blue)'s status on Monday, 19-Dec-2022 00:02:44 JST ねずみ王様(blue) ただ、中和されてそれかという感じがするかもしれないが、あの「サークル」は、私の生来の「政治」への志向をいくらかなりとも中和しただろう。それほど多くのことを学んだ。学んだというよりは、もはや形成したといったほうが正しいほどに。「サークル」のことを思い出そうとすると、大学時代のほとんどすべてを思い出すことになる。人間関係のほとんど全てがそこに集約されてしまうから、ひどく私的なことに踏み込まずには何も書けない。それこそ二十歳の少年であり、今の私の子供の年齢に近い。どのような少年だったのだろう。