なんだってー!と驚くことばかりですよ室町時代
「「自害の歴史」といわれれば、誰しもが思い浮かべるように、これまで日本の前近代における自害については、その形態の特異さから「切腹」についての分析ばかりが多く積み重ねられてきた。それらのなかには対象のグロテスクさとは裏腹に、日本人の死生観にまで議論を拡げ、「日本人論」としての深い洞察がなされたものも少なくない。しかし……以下に掲げる事例からも明らかなように、一方で近世前期までの切腹や自害には究極の復讐手段としての意味がつよくともなっていた。」
(清水克行『室町社会の騒擾と秩序』講談社学術文庫、2022年)