平静を装ってバスの外に目を向けると、たくさんの犬や猫ーー震災で飼い主を失った動物たちが遠巻きにこちらを凝視していた。犬も猫も体毛はぼろぼろで、体が極端に痩せている。まだらハゲとやり、あばらが浮き出た雑種犬が一匹、よろよろとバスに近づいてきた。その首には飼い主がはめただろう真っ赤な首輪があった。私が泊まっていた旅館のフロント前には、動物愛護団体が持ってきた餌が置かれている。その理由が飲み込めた。自分たちが20キロ圏内に入れないため、作業員に餌やりを託しているのだ。『ヤクザと原発 福島第一潜入期』鈴木智彦 #カンミ読書
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Saturday, 26-Oct-2024 15:42:19 JST カンミ - pica.pica repeated this.
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カンミ (pantabekanmi@mastodon-japan.net)'s status on Saturday, 26-Oct-2024 15:42:19 JST カンミ 親方の忠告により、原発の根源が理解できた。原発が都市部から離れた田舎に建設されるのは、万が一の事故の際、被害を最小限にとどめるためだけではない。地縁・血縁でがっちりと結ばれた村社会なら、情報を隠蔽するのが容易である。建設場所は、村八分が効力を発揮する田舎でなければならないのだ。
暴力団が原発をシノギに出来るのは、原発村が暴力団を含む地域共同体を丸呑みすることによって完成しているからだ。原発は村民同士が助け合い、かばい合い、見て見ぬふりという暗黙のルールによって矛盾を解消するシステムの上に成り立っている。不都合な事実を詰め込む社会の暗部が膨れ上がるにつれ、昔からそこに巣くっていた暴力団は肥え太った。原発と暴力団は共同体の暗部で共生している。 (p246 文庫)