通俗道徳については、安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』が基本なので、関心のある方はぜひ。ただ本書は、江戸時代から明治初期の議論なので、通俗道徳の「良い」面も書かれています。生まれで人生が決まる身分制社会では、努力で上昇できるという革新的思想だったのです。
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嶋理人 (bokukoui@mstdn.jp)'s status on Sunday, 25-Jun-2023 01:42:49 JST 嶋理人 -
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嶋理人 (bokukoui@mstdn.jp)'s status on Sunday, 25-Jun-2023 01:42:49 JST 嶋理人 その通俗道徳が江戸時代末期から明治以降、人びとを縛る「わな」と化してしまう状況を、分かりやすく(安丸著は「分かりやすく」はない)書いたのが、松沢裕作先生の『生きづらい明治社会』です。これは全国民必読ものの本だと思っています(ので、ゼミの課題図書にしてます)
烏丸百九@バーチャル評論家 repeated this. -
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嶋理人 (bokukoui@mstdn.jp)'s status on Sunday, 25-Jun-2023 01:42:49 JST 嶋理人 通俗道徳は戦時期までは公式的な価値観であったといえますが、戦後は「消費は美徳」と言われたりもして、一時は昔ほどではなくなったと思われます。しかし日本経済の停滞とともに、自己責任で弱者を切り捨てる通俗道徳が、耳になじみやすくなってしまったのでしょうか。
ただ本来の通俗道徳は、「勤勉」が真っ先に来るので、「コツコツ努力して積み上げる」ことを尊ぶ面があります。現在は弱者を切り捨てる思想として通俗道徳が転用される一方、勝者になるのに「コスパ」だの抜け道だのチートだのを求めてばかりで、コツコツやることはあまり重きを置かれない気がします。
そう考えていくと、21世紀型通俗道徳は、自らを省みてコツコツ努力するというプラスの面を失い、他者(往々弱者)を攻撃するツールに堕落腐敗したものであり、系譜上のつながりはともかく、実態としては別物と考えるべきなのかもしれません。コツコツ大事。
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嶋理人 (bokukoui@mstdn.jp)'s status on Sunday, 25-Jun-2023 01:42:50 JST 嶋理人 https://twitter.com/noiehoie/status/1671432932614111232
なぜ日本人は自己責任論が好きなのか、リーマンショック後も新自由主義的な風潮が衰えないのか、その一因に通俗道徳の基盤は影響していると思います。ですが通俗道徳は勤勉・倹約などと並んで「孝行」も入るはずなので、のいほい氏が取り上げている精神科医の場合は、そもそも道徳未満な気もします。
むしろ、再版通俗道徳として、現状はもしかすると明治より悪化してしまった可能性もあるのかもしれません。
るまたん repeated this.
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