町外れの小屋に三人家族があった。母子家庭。双子の兄妹は鬼の子だという。母親が鬼に犯され、産まされた子だと。
母親はいつも、「鬼を殺しなさい。大きくなったらあなたの父親を必ず探し出し殺しなさい。決して許してはダメ」と教え込んでは虐待していた。鬼の血を受け継ぎ回復力の高い二人だったが、母親から受けた傷だけは治ってからときどき疼いた。
兄は強い身体に育ち、あらゆる武具を使うようになった、病弱な妹は鬼の不思議な力を使えるようになった。
そして二人が一五歳の誕生日。母親は二人に旅支度をさせた後、手首と頚動脈を切って自殺する。
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半人半鬼《ハーフ・オーガ》のもぐりの冒険者たちがいる。双子の兄と妹。
この二人はオーガ討伐を専門とし、自分たちが絶滅させると言い張っている。
善良な鬼族も容赦なく殺すので、冒険者ギルドの会員から除籍されて久しい。冒険者ギルドでは、知性のある者同士の戦いには、地域政府の許諾印を押した依頼書がいる。
屈強な兄が背負子に載せて妹を背負って移動している姿を山でみかけたら、こいつだらと思っていい。