手もとの『明鏡』(第三版)、『精選版 日本国語大辞典』、「三省堂国語辞典』(第八版)、『大辞泉』(デジタル)は「ひとごと」の表記として「人事」を第一に、「他人事」を第二にあげています。「他人事」を「ひとごと」の表記の第一にあげているのは『新明解』(第八版)です。
『明鏡』によると、「他人事」は明治・大正期の文学で、「他人事」に「ひとごと」とふりがな付きで書かれたものが、のちふりがなが取られ「たにんごと」とも読むようになったとのこと。
一方、『新明解』は「ひとごと」を「人事」と書くのは比較的新しい表記だとしています。しかし、『精選版 日本国語大辞典』には「人ごと」という表記で紫式部日記を用例にあげていますので、表記の歴史的経緯については『明鏡』の方が正しいのではないかと思います。
なお、漢和辞典『漢辞海』『新字源』によれば、「人」に「他人」の意味もあるるので、「他人事」では冗長だということになります。
NHKが「ひと事」、日本新聞協会『新聞用語集』が「人ごと/ひとごと」としているのは「人事(じんじ)」などと区別するためでしょう。どちらにしてもローカルルール(ハウスルール)なので、他の人がどう書くべきか縛るものではないだろうなと、私は「ひとごと」のように思っています。
Notices by 窮狸校正所(森卓司) (kyuli@bookwor.ms)
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窮狸校正所(森卓司) (kyuli@bookwor.ms)'s status on Thursday, 10-Aug-2023 13:24:27 JST 窮狸校正所(森卓司) -
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窮狸校正所(森卓司) (kyuli@bookwor.ms)'s status on Saturday, 21-Jan-2023 07:47:05 JST 窮狸校正所(森卓司) @jdash2000 学生時代、暮れに仙台から日本海周りで帰省しようとしたら、大雪のため(たしか)直江津の手前で止まってしまい、迂回証明をもらって、できたばかりの上越新幹線で上野へ出て、結局、太平洋周りで帰ってきたのが懐しいことです。
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窮狸校正所(森卓司) (kyuli@bookwor.ms)'s status on Sunday, 18-Dec-2022 07:00:15 JST 窮狸校正所(森卓司) 著者のみなさんも新著を紹介するときは「版元ドットコム」もぜひ使ってみてください。書店に並ぶ、図書館に所蔵される、そのための工夫がされているのです。
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窮狸校正所(森卓司) (kyuli@bookwor.ms)'s status on Sunday, 11-Dec-2022 08:51:09 JST 窮狸校正所(森卓司) @h_okumura bookwor.msでは最近、5,000字になりました。タブロイド新聞だとひとつの面にぎっしり文字を詰めたぐらいの文字数です。