Matrixは、リアルタイム通信のためのオープン標準で軽量な通信プロトコルである。ある通信サービスプロバイダのアカウントを持つユーザが、チャット、VoIP及びテレビ電話を介して、別のサービスプロバイダのユーザとコミュニケーションを行うことができるように設計されている。つまり、標準的なSMTPによる電子メールがストアアンドフォワード型の電子メールサービスで提供されているように、異なるサービスプロバイダ間でリアルタイム通信をシームレスに機能させることを目的としている。
技術的な観点から見ると、Matrixは分散型リアルタイム通信のためのアプリケーション層の通信プロトコルである。Matrixはサーバのオープンな連合を介してのJSON形式のメッセージの安全な配布及び永続化のためのHTTP API及びオープンソースのリファレンス実装を提供している。WebRTCを介して標準的なWebサービスと統合することができ、ブラウザ間での応用が容易である。
歴史
初期のプロジェクトは、Matthew HodgsonとAmandine Le Papeによって "Amdocs Unified Communications" と呼ばれるチャットツールを構築しながらAmdocs内で作成された。その後、Amdocsは2014年から2017年10月までの開発作業の殆どに資金提供をした。MatrixはWebRTC 2014 Conference & Expoでイノベーション賞を受賞し、2015年のWebRTC Worldで "Best in Show" 賞を受賞した。このプロトコルは2014年に登場した後、幾つかの指摘を交えて賞賛を受けた。レビュアーはこの種のオープンなインスタントメッセージやマルチメディアシグナリング・プロトコル…