天理大付属天理図書館(奈良県天理市)は10日、文豪、夏目漱石(1867~1916年)の小説「 吾輩わがはい は猫である」と「坊っちゃん」の自筆原稿を確認したと発表した。5月以降に東京などで公開される。
同館によると、原稿はペン書きで、「吾輩は――」は終盤にあたる第10章の62枚、「坊っちゃん」は作品全体の150枚。いずれも欠落のない完全形という。
自筆原稿はいずれも、95年に松山市で開かれた展示会の図録に掲載されていたものの、その後の所在は把握されていなかったという。同館が2019年に古書店から購入し、鑑定の結果、筆跡などから漱石の直筆であると確認された。
太田登・天理大名誉教授(日本近代文学)は「漱石は自筆原稿をあまり手元に残さず、特に『吾輩は――』はこれまでに複製版が作られていない。自筆原稿をそろった状態で見られるのは大変貴重だ」と話している。
夏目漱石の「吾輩は猫である」「坊っちゃん」、自筆原稿を確認…奈良・天理ギャラリーで公開へ : 読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/culture/20250411-OYT1T50013/