「岡本太郎展」東京都美術館にて
自分が育ってきた70〜80年代は「岡本太郎」が日常のそこかしこに存在してたのだと再認識した。あの先が尖ってひらひらした形が配された意匠にTAROのサイン、パブリックアート、近鉄バッファローズのロゴ。なんといっても「芸術は爆発だ」CMの本人。まるでイブサンローランやウンガロなどハイブランドのロゴ入りハンカチや靴下のように、日常生活に入り込んでた。
そして当時から、なにやら「美術」とはちょっと違う存在として受け取っていた。
大阪万博のコンセプトと真反対でありながら最もシンボリックな存在となった『太陽の塔』といい、体制や進歩主義、商業主義への反駁を標榜しつつもそれらとの親和性を保っている点で、ビジネスの才覚も際立つことがよくわかる。
今回の展示では太陽の塔や『明日の神話』壁画制作当時の映像もあるが、丹下健三の建築やChim↑Pomの事件については触れられていなかった。
にしても岡本太郎作品はFRPやアスベスト素材など時代を反映した素材が目立つ。